第二次大戦が始まると、アメリカ陸軍はドイツ軍の電撃戦での戦車の活躍を受けドイツ戦車に対抗する対戦車砲の自走砲化を急いで進めることになった（戦車との戦闘には対戦車砲を当てるのがアメリカ陸軍の方針）のです。それはドイツ軍の駆逐戦車とは真逆な設計思想による360度旋回可能な砲塔を装備し、機動性を重視して装甲厚を薄くしたのがアメリカ軍の戦車駆逐車（GUN MOTOR CARRIAGE）の特徴でした。この方針のもと新規設計車輌で最高速度80km/hを出せる 76㎜M1A1搭載のM18ヘルキャットから始まり、M４シャーマン戦車の車台を流用し76㎜砲M7を搭載したM10戦車駆逐車、さらにティーガー戦車やパンター戦車を駆逐するために米軍最強の90㎜砲M3をM10の車体に搭載したM36戦車駆逐車を開発したのです。本書ではこれら３車種についての開発、構造、生産に付いて解説します。なお本書は月刊グランドパワー誌2020年４月号、2021年４月号の特集での該当記事をまとめて合本したものになります。タミヤの新キット「アメリカ駆逐戦車M36」の資料としてお手元にあると模型製作にも役立つ１冊です。新規写真を一部追加掲載しています。 2025.08.28発売 B5判　136ページ